山口長男
山口長男(やまぐちたけお)
限られた色彩で独自な抽象表現
日本の抽象画の先駆的存在。黒字の下地に黄土色や赤色などを使った厚塗りが特長。その重厚な画面作りは、ペインティングナイフでの一塗り一塗り塗り込められた工程から生まれました。
多くの芸術家との交流もあり、陶芸家で辻清明氏のアトリエを訪れ、「作陶」に挑戦したこともあるそうです。そんな山口長男について当ギャラリーの見解をお伝えさせていただきます。
簡潔な色彩と重厚な質感で
主な作品の技法は、油彩、グワッシュ、墨・水彩など。なお鑑定機関は東京・小平市の「山口長男作品登録会」になり、受付窓口はシンワアートオークションが対応。
欧米の抽象絵画とは異なった深い魅力
近年、戦後の「具体」が注目されるのと同様に、同作家も高騰の傾向があります。2017年香港で、大手競売会社のサザビーズが同作家の特別オークションを開催するほどです。
山口長男 略歴
明治35年(1902)-昭和58年(1983)
韓国に生まれ。東京で没。
昭和2年 | 東京美術学校を卒業。同期生の岡田謙三、荻須高徳らと上杜会を結成。同年、フランスに留学し、佐伯祐三らと交遊。 |
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昭和6年 | 帰国。二科展に出品。抽象的な作風が注目。 |
昭和13年 | 吉原治良、斎藤義重らととも二科展内に前衛画家による研究団体「九室会」を結成。 |
昭和28年 | 日本アブストラクト・アート・クラブを結成し、翌年同会員として第18回アメリカ抽象美術展に出品。 |
昭和36年 | 芸術選奨文部大臣賞受賞。 |
山口長男 代表作品
- ≪花子誕生≫
- ≪ボタン雪と騎手≫など
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