アントニ・タピエス
アントニ・タピエス(Antoni Tapies)
壁、土、麻布のような「もの」を主役に
スペイン・バルセロナ生まれの現代アーティスト。初期の頃はジョアン・ミロやパウル・クレーなどに影響を受け、シュルレアリスム作品を制作。その後立体主義的コラージュから、厚塗りによるアンフォルメルの時期へと作風を変遷。1950年代からミックストメディアでの創作も行い、その作品群は、砂、大理石の粉、見つかった物体、合成樹脂、セメントなど非絵画的素材を使用し、油絵具はその上に簡単に十字形や曲線が書き加えるくらいであった。
1990年には高松宮殿下記念世界文化賞 絵画部門を受賞。 そんなタピエスについて当ギャラリーの見解をお伝えさせていただきます。
つねにカタロニアの風土と文化的政治的状況を忘れず
土や砂を混ぜあわせた素材の質感はカタロニアの風土を思わせ、またスペイン内戦や不安定な政治時状況の体験が大きく作風に反映されていた。主な作品の技法は、油彩、ミックストメディア、版画など。
タントラ(密教)、禅への傾倒も
やはり海外が主流になり、ミックストメディアなどのオリジナル作品が国内のアート市場で出品されることは、ほぼ無いが、版画は日本国内でも流通している。
タピエス 略歴
1923-2012
スペイン・バルセロナで生まれる。
1950年 | 初めての個展をバルセロナで開催。以後パリに居を移す。 |
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1953年 | サンパウロ・ヴィエンナーレで受賞。 |
1955年 | 第3回エスパノアメリカ・ビエンナーレでコロンビア共和国賞を受賞。 |
1958年 | 第28回ベネチア・ビエンナーレに個展形式で出品し、ユネスコ賞とデヴィット・ブライト財団賞を受賞。 |
1966年 | マントン・ビエンナーレでフランス政府大統領賞を受賞。 |
1979年 | バルセロナ市民賞を受賞。ベルリン美術アカデミーの名誉会員に選ばれる。 |
1981年 | ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートより名誉博士号の学位を授与される。 |
1984年 | バルセロナにアントニ・タピエス財団が設立される。 |
1988年 | バルセロナ大学より名誉博士の学位が授与される。 |
タピエス 代表作品
- ≪群青のコンポジション≫など
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