青木繁

青木繁

青木繁（あおきしげる)

浪漫主義時代を駆けぬけ、文学的作風へ

東京美術学校で黒田清輝に学びながらも、師の意図するアカデミックなものとは正反対な方向へ向かっていった青木繁。それはひとえに現実を離れた想像的な世界（たとえば神話など）を好む同作家の資質と、明治中期に盛んとなってきた文芸思潮、すなわち明治浪漫主義という新しい芸術への関心が高まった時代環境によるものもありました。日本神話や歴史を取材し、ラファエル前派の研究を行い、浪漫性の強い文学的作風に特色を示したのです。また一方で海の魅力にとりつかれ、自らの作品の主要なモチーフにもしました。

28歳という短い生涯で数々の優れた作品を残されました。では、そんな青木繁について、当ギャラリーの見解をお伝えさせていただきます。

明治のロマンティシズム

海の風景画、肖像画などが作風。ただ国内のアート市場では、画業の期間が少ない事もあってか、寡作の作家の方に入ります。流通されている作品も多くは没後制作されたエスタンプ（複製版画）が中心です。

海の神話と雄大なロマン

主な作品の技法は、油彩、水彩、鉛筆など。なお鑑定機関は東京・虎ノ門の東京美術倶楽部になります。

青木繁 略歴

明治15年(1882)-明治44年(1911)

久留米市に生まれ。福岡市で没。上京して不同舎で小山正太郎の指導を受ける。

明治33年	東京美術学校の洋画科選科に進んだ。
同36年	第8回白馬会展≪黄泉比良坂≫(東京芸術大学)で第1同白馬会賞を受賞。
翌37年	東京美術学校を卒業。≪海の幸≫を白馬会展に出品。
同40年	東京府勧業博覧会に≪わだつみのいろこの宮≫を出品し、三等賞を受けた。

青木繁 代表作品

• ≪海の幸≫
• ≪日本武尊≫
• ≪わだつみのいろこの宮≫など

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