長谷川利行
長谷川利行(はせがわとしゆき)
街をさすらい、自由奔放に詩情をたたえる作風
大正・昭和期に活躍した異端の放浪画家。街の情景や群衆の喧騒を荒い筆づかいで表現。京都に生まれ、20代は短歌の道を志し、30歳を過ぎてから上京した。ほとんどどこにも定住することなく東京の下町を放浪し、街そのものをアトリエとして描き続けた。発電所、ガススタンド、工場、街路、酒場、そしてそこで生きる人々を。関東大震災からの復興で近代都市としての形相を整えつつあった東京の、とりわけ歓楽的・刹那的な一面を、まさに刹那的な筆致で同作家はとらえ、画面に叩きつけていった。
しかし、放浪癖と酒癖で生活は破綻し、都内各地を転々とする生活のなか、病に倒れ49歳の生涯を終えました。では、そんな長谷川利行について、当ギャラリーの見解をお伝えさせていただきます。
「喧騒の街」そのものがアトリエ
洋画だけでなく多くの絵画では、図柄によって、評価や査定額が大きく変動することもあります。画家それぞれに人気のモチーフがあり、人気な図柄ほど評価や査定額が高いのが現状です。日本の画壇では、長年コレクターや購入者に人気な図柄に対して高値がつく事が多いです。長谷川利行の場合、もちろん東京を中心とした風景画が人気ですが、静物画、人物画も比較的評価もあります。
直感的な筆致と色彩で
主な作品の技法は、油彩、水彩、クレパス、鉛筆など。なお鑑定機関は東京・虎ノ門の東京美術倶楽部になります。ただ贋作が非常に多い作家でもあります。やはり作家の人柄や放浪癖より、作品が贈呈として各地に拡散されている現状からだと思われます。
長谷川利行 略歴
明治24年(1891)-昭和15年(1940)
京都に生まれ、東京で没。
大正10年 | 時折上京し、講談雑誌に小説を書いた。同年、第1回新光洋画会展に初入選。 |
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昭和2年 | 第14回二科展樗牛賞。 |
同3年 | 1930年協会展、協会賞を受賞した。 |
長谷川利行 代表作品
- ≪赤い機関車庫≫
- ≪酒売場≫など
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