伊東深水
伊東深水(いとうしんすい)
女性心理を写し出す美人風俗画
鏑木清方に師事し、西の寺島紫明とよく比較される。卓越した描写力と瑞々しい感覚で庶民生活を描き、現代の女性風俗を表現。大正期は強烈な色彩や輪郭線をおさえた洋画風表現を追求。後に線を主体に上品で明るく格調の高い画風へ移行した。
挿絵や版画の分野にも力を入れ、木版画に遺した業績も大きかった。では、そんな伊東深水について当ギャラリーの見解をお伝えさせていただきます。
江戸浮世絵の伝統を受け継いだ
やはり美人画の評価が高く、相場は50万円~200万円ぐらい。
雪の中の「傘美人」も人気で
美人画の中でも傘や鏡獅子を持った女性が描かれた作品の方が評価が高い。主な作品種類は絹本・彩色、紙本・彩色、水彩、版画など。
戦後以降、多くの複製版画が流通
贋作も多い作家でもあります。「美人画」に関しては顔の表情などが重要視される。なお鑑定機関は東京・新橋の東京美術倶楽部になります。また美術工藝品などを「本物」と思い込んで判断することも要注意です。
伊東深水 作品
≪つつじ≫
≪雪≫
≪和装の娘≫
伊東深水 略歴
明治31年(1898)-昭和47年(1972)
東京に生まれ、同地で没。
明治44年 | 鏑木清方に師事した。 |
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明治45年 | 第12回巽画会入選。 |
大正3年 | 再興日本美術院第1回展で入選し、挿絵を描き始めた。 |
大正4年 | 郷土会結成に参加。 |
大正5年 | 木版画を始め、川瀬巴水らと絵、彫、摺分業による新版画運動に参加。 |
昭和2年 | 画塾を設立し、のちに朗峯画塾と名づけた。 |
昭和7年 | 山口蓬春らと青々会を結成。 |
昭和14年 | 山川秀峰らと青衿会を結成した。 |
昭和23年 | 日本芸術院賞受賞。 |
昭和25年 | 青衿会は児玉希望の国風会と合併し日月社を結成。 |
昭和33年 | 日本芸術院会員。 |
伊東深水 代表作品
- ≪露≫
- ≪聞香≫
- ≪春の宵≫など
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