伊藤小坡
伊藤小坡(いとうしょうは)
終生描き続けた歴史・物語を主題とした美人画
三重県伊勢市出身の明治から昭和にかけて活躍した女流日本画家。大正期の作品は濃密で色鮮やかな絢爛豪華な当世風の風俗美人を描き、昭和期に入り、歴史画をテーマにした女性像に移行。晩年には、上品さと明るさのある親しみやすい庶民の女性を多く描いた。師の谷口香喬没後、昭和3年から竹内栖鳳が主催する竹杖会に入り、同年第9回帝展に≪秋草と宮仕へせる女達≫などを発表した。伊勢・猿田彦神社の宮司の家に生れた伊藤小坡ですが、その猿田彦神社から徒歩3分ところに現在「伊藤小坡美術館」があります。
上品さと明るさのある親しみやすい庶民の女性
時代風俗の肉感的な美人画を中心に描いてきた伊藤小坡。主な作品種類は絹本・彩色、紙本・彩色など。
伊藤小坡 略歴
明治10年(1877)-昭和43年(1968)
三重県伊勢に生まれ。京都で没。伊勢の磯部百鱗に絵の手ほどきを受ける。
明治31年 | 21歳の時京都を出てはじめ森川曽文に入門。 |
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同35年 | その曽文没後、谷口香喬に師事し、「小坡」の雅号を受ける。 |
同36年 | 第5回内国勧業博覧会に≪伊賀の局≫を出品。 |
大正4年 | 第9回文展で≪製作の前≫が3等賞初入選。 |
同8年 | 京都の反帝展団体・日本自由画壇の結成に参加したが翌年退壇。帝展に復帰した。 |
同10年 | 第3回帝展≪琵琶記≫が出品され、翌11年パリで開催された日仏交換美術展でフランス政府に買い上げとなる。また同年の平和博覧会美術展で≪待たるる楽しみ≫が3等賞になった。 |
昭和3年 | 竹内栖鳳に師事。 |
同6年 | 第12回帝展≪春日詣≫以後無鑑査となった。 |
同14年 | 第3回新文展に≪神詣≫を出品。 |
同17年 | 第5回新文展に≪乳人≫を出品。 |
伊藤小坡 代表作品
- ≪つゞきもの≫
- ≪ふたば≫など
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