河原温
河原温(かわらおん)
日本のコンセプチュアル・アートの代表的美術家
愛知県刈谷生まれの昭和後期から平成にかけて活躍した美術家。初期は≪浴室≫シリーズに代表される鉛筆素描の連作で評価されるが、次第にコンセプチュアル(アイデアや概念を作品の主題とする)な作風に移行。国際的にきわめて高い評価を受け、日本出身の現代美術家のなかで世界的にも著名な作家の1人であった。
1959年に日本を離れ、メキシコをはじめ南アメリカを旅行したのち、ニューヨーク、パリで滞在を経て、1965年再度ニューヨークに定住。 そんな河原温について当ギャラリーの見解をお伝えさせていただきます。
「時間」や「存在」をテーマに
実験的な試みの「印刷絵画」、言語による作風を経て、渡米後「時間」や「存在」を創作活動の主題にした観念的な作風に変遷した河原温。主な作品種類は、油彩、ドローイング、コラージュ、版画など。
日付絵画 Date Painting
渡米後翌年からアルファベットで日付をえがいた≪TODAY(今日)≫シリーズの制作を開始。リキテックス(画材の名称)で単一色に塗られたキャンバスに制作された「日付」を白い活字体の文字で描いた作品でした。ちなみに河原温に関しては、版画などは国内でのアート市場でも出品されることはありますが、油彩などオリジナル作品が出品されることは稀です。
河原温 略歴
昭和8年(1933)-平成26年(2014)
愛知県刈谷市に生まれる。愛知県立第八中学校(現・愛知県立刈谷高等学校)を卒業。
昭和26年 | 高校卒業後に上京。 |
---|---|
同27年から | 日本アンデパンダン展、読売アンデパンダン展に出品。 |
同28年 | 第1回ニッポン展(東京都美術館)に鉛筆素描の≪浴室≫シリーズを出品。 |
同34年 | 渡米後、北米、中南米、ヨーロッパ各地を遍歴。 |
同40年 | ニューヨークに定住。 |
同52年 | ポンピデゥーセンター(フランス)で個展。 |
同55年 | 「河原温 連続と不連続 1963-1979」ストックホルム近代美術館(スウェーデン)からスタートし、ヨーロッパと国際国立美術館(大阪)を巡回。 |
平成8年より | 「河原温 全体と部分 1964-1995」ヨーロッパから東京都現代美術館(日本)へ巡回。 |
同27年 | 「On Kawara, Silence」グッゲンハイム美術館(アメリカ)で大規模な個展を開催。 |
河原温 代表作品
- ≪浴室≫シリーズ
- ≪物置小屋の出来事≫シリーズ
- ≪TODAY(今日)≫シリーズなど
絵画査定・絵画買取について、作品の技法・真贋など、いろいろなお悩みがあるかと思いますが、お気軽にご相談下さい。