森本仁平
森本仁平(もりもとにへい)
沸き上がる情景
石川県加賀市出身の昭和後期から平成にかけて活躍した洋画家。穏やかな黄褐色の色調が特徴で、水平線や地平線のある風景画を多く描いた。東京美術学校師範科(現東京芸術大学)を昭和7年卒業後、岩手県立一関高等女学校の教諭として4年間を過ごす。やがて終戦の年となる昭和20年を朝鮮で迎えた。4月に入って臨時召集を受け、8月には戦闘部隊の第一線で海と空からの激しい砲火を浴び、終戦と同時にソ連の捕虜となって、シベリアへ向けての連行中、脱走を実行し、1,000キロもの山岳地帯を40日以上かけて走破。家族と再会後38度線を越え、岩手県一関へ帰るという壮絶な体験をした。
穏やかな陽の光が満ち
広大な耕地や湖沼、船着き場、砂丘、木立ちなど、穏やかで陽の光が満ちた写実的な風景画を描いた森本仁平。主な作品種類は、ほとんどが油彩作品。
森本仁平 略歴
明治44年(1911)-平成16年(2004)
石川県加賀市大聖寺に生まれる。洋画家・森本草介は実子。千葉県で没。
昭和7年 | 東京美術学校師範科(現東京芸術大学)卒業。以降美術教師として定年まで各地を歴任。 |
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同13・20年 | 2回の召集により2年間軍務。終戦と同時に捕虜となる。 |
同21年 | 岩手県一関授産所にて木工芸品絵付けに従事。 |
同22年 | 一関市で中学教諭となり、福井良之助らと県南美術協会を結成。展覧会を開催する。 |
同24年 | 日本美術家連盟一関支部展開催に出品。東京におけるアンデパンダン展に出品。以後10数回に出品。 |
同26年 | 東京都墨田区立の小学校に転任。 |
同32年 | 自由美術協会会員となり、同50年まで連続出品。 |
同41年 | 二人展(上野省策、森本仁平)を開催。(同49年も開催。) |
同48年 | 新鋭選抜展に招待出品。 |
同49年 | 美術ジャーナル鉱脈作家展に出品し受賞。 |
同52年 | 日本画壇の全貌展に招待出品。 |
平成4年 | 森本仁平画集を刊行。 |
同7年 | 石川県立美術館で特別陳列森本仁平展を開催。 |
同9年 | 加賀アートギャラリーで開館記念特別展森本仁平展を開催。 |
森本仁平 代表作品
- ≪空の肖像≫
- ≪湖畔のはす田≫など
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