萬鉄五郎
萬鉄五郎(よろずてつごろう)
近代の西洋と自らの風土との間で格闘
岩手県出身で明治末期から昭和初期にかけて活躍した日本近代絵画の先駆者。フォーヴィズム、キュビスムの絵画に日本でいち早くから共鳴。自然の固有の色彩をそのまま再現するのではなく、自らの感性によって、色彩そのものの力を生かした表現は、日本の若い芸術家に大きな影響を及ぼした。また同時に東洋絵画の研究も行い、さらには自らの故郷である岩手県の風土を作品に色濃く反映させた。
その岩手県花巻市東和町には、1984年に町立の記念館から現在美術館となった萬鉄五郎記念美術館があります。では、そんな萬鉄五郎について、当ギャラリーの見解をお伝えさせていただきます。
主観的表現の出発
洋画だけでなく多くの絵画では、図柄によって、評価や査定額が大きく変動することもあります。画家それぞれに人気のモチーフがあり、人気な図柄ほど評価や査定額が高いのが現状です。日本の画壇では、長年コレクターや購入者に人気な図柄に対して高値がつく事が多いです。萬鉄五郎の場合、風景画より人物画の方が人気だが、ただ明治・大正期にかけて活躍した作家でもあるためか、国内のアート市場では寡作の作家の方に入ります。一級品の油彩作品はなかなか美術館での鑑賞以外、拝見することは難しいです。
ぶつかり合う異文化の渦の中で
作品の技法に関しても本画なのか?版画なのか?作技によっても評価や査定額が変わります。洋画に関しては、やはり油彩画が水彩画やデッサンより高額な値がつきます。萬鉄五郎の場合、主な作品の技法は、油彩、水彩、版画など。なお鑑定機関は東京・虎ノ門の東京美術倶楽部になります。
萬鉄五郎 略歴
明治18年(1885)-昭和2年(1927)
岩手県東和町に生まれ。神奈川県で没。早稲田中学在学中に白馬会研究所で長原孝太郎にデッサンを学び、渡米。
明治45年 東京美術学校を卒業。フュウザン会に参加。日本美術院洋画部、二科展に出品。以後個性的な作品を次々と発表した。 |
萬鉄五郎 代表作品
- ≪裸体美人≫
- ≪もたれて立つ人≫など
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